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その日の朝、不快感を伴いながら起床した。
「……汗?」
まだ寝惚けていた俺だったがその汗に嫌な予感がした。
家にはユキネがいる。故に室温は常に低く保たれているはずなのに!?
窓を見ると雪は霙となっている。
「――っ!? ユキネ!」
ユキネが眠る隣のクーラーがあるリビングの襖を開けると、苦しそうに唸り、服がはだけたユキネの姿。
「シュン……ちゃん」
「なんで! どうしてだ! クーラーは!?」
電源のおちたクーラー、どんなにON、OFFを繰り返しても動かない。
クーラーを殴り付け、部屋についた室温計を見る。
「……十二度!? まだ朝だぞ?」
「暑い……」
弱々しく呟くユキネの声が俺の中に響く。
「ちょっと待ってろ!」
俺は冷蔵庫へと走った。中にある熱冷ましのヒエピタ、冷凍庫の氷に冷凍食品、保冷剤。ありとあらゆる物を両手一杯に持って部屋に戻った。
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