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「トリプルオーがまさかオリジンの殺し屋を派遣してくるとは…そこまで実験を成功させたいのかねえ?」
十文字市に生きる青年魔術師、赤松錬が目の前に立つ小柄な女性に話し掛ける。
「マスター甘粕の動きが面白くないのでしょ?あのオッドアイのクソババアが臍を噛む姿、見てみたいモンだわね」
「ソロールキャル…もう少しエレガントに喋れないものですかね?仮にもニドヘグ十三人委員会の第十一使徒なのですから…」
錬の言葉にキャルと呼ばれた女性は腹を抱えて笑う。
「キャハハッ!アンタ変な幻想抱き過ぎ~、レン!そんなんじゃママンに会ったら腰抜かすわよ~!」
「憧れを崩す様な事を言わないで下さいよ…ハァ」
溜め息を吐く錬。
トリプルオーと対抗する強大な魔術師組織、ニドヘグ十三人委員会の一人の直弟子という栄誉が汚される様な想いに襲われた。
まあ、目の前の人物には既に心も身体も汚されているのだが。
「でさ~、マコちゃんとはヤったの?」
目を輝かせながら尋ねるキャル。
「…何を藪から棒に。彼女は私にとってそういう人間では…」
「好きなくせに」
「………」
「ワタシが蟲使って汚しちゃおうかなあ?彼女の悶える姿…」
言葉途中でキャルの喉元にダークを突き付ける錬。
「幾ら師でも彼女を凌辱するのは赦さない…」
「ふうん…やっぱ好きなんじゃん?」
「………」
「な~んかムカつく~!アンタは私の飼犬のくせに~!」
「飼犬だって飼主を噛む牙は持ってますよ?」
空気が張り詰める。
刹那、キャルが錬の唇を奪った。
「ん…っ!」
そのまま押し倒して、唇を貪るキャル。
長い間口付けを交わして、唇を離すキャル。
「アンタは私に牙を剥くんじゃなくて…御奉仕するんでしょ?その舌でさあ…」
キャルはローブをたくしあげる。
その下には何も履いていなかった。
「何よ、マコト、マコトって…アンタは私のモンなんだから…」
そのまま錬の顔に股間を押し付けた。
錬に現代魔術を教えた凄腕の魔女は、屈折した愛情を錬に抱いていたのであった。
所は変わり、純白の教会。
眼鏡で痩せぎすの怪人物と褐色の肌のヴェールを被った婦人がチェスを指している。
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