From Her To Eternity(1)

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それは飛川も例外では無く、もし誰とも付き合って無かったら惚れていただろうと思う程、銀髪の美形に心惹かれていた。 コードネーム・シルバーフロスト。 それが彼の呼び名である。 本名は彼の妻と子しか知らない。 そして彼の妻は隣りにいるアロイスの敵対者であった。 だが彼はプロの始末人である。 仕事なら例え敵対者とも組む。 その内容が妻子の危険に関わるのならその限りではないが。 「首尾良くいって貰わないと困りますわ。私だって…大事な人を救う為に宝石が必要なのですから」 そう言って爪を噛む飛川。 上手く言ってくれなきゃ困る。 その為に今まで何度もこの手を汚してきたのだから。 「安んじてお任せあれ、ミス天音」 慇懃無礼に頭を下げるアロイス。 「…ミセス、です」 「ああ、すいません!もう、ダメじゃないですか、アロイスさん!では私達はこれで!」 その場を取り繕いながら部屋を出る二人。 飛川とアロイスはどうやら仲良くなれそうにない様だ。 「わざとらしいですよ、アロイスさん」 「挑発に乗ってくれれば御し易いと思ったが…中々どうして、操り師の腕がいいのかな?」 笑みを浮かべるアロイス。 「アレはどの世界に於いても滅ぼさねばならぬ存在だよ。あの深淵の魔女はな」 バランスブレイカーの存在を認める訳にはいかない。 制御の利く緊張関係が世界のバランスを保つ。 その為にヴァイスクロイツともう一つの組織―スルーシが存在する。 自分達が長年かけて作り上げた壮大な茶番劇を壊す者は赦さない。 アロイスはそう考えていた。 それがシルバーフロストの様な存在を容認しているのである。 「勝てる…でしょうか?あの伝説の魔女に…」 「その為にあの野獣を生かしてるのだよ。彼も…重要な駒だからね。所で…今日こそは私のベッドに来てくれるのだろうね?」 「冗談を。私の操は妻に捧げるものですから」 「ふう…また私にあの無粋な穴を使えというのかい?君の名前を連呼してやろうか」 「…殺害しますよ?アロイスさん」
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