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君を手に入れた。それだけでもう世界を手に入れた気分だ。まあ君と出会った時から君は僕の世界の全てだったからこの気分もあながち間違っているわけじゃないと思う。
でも、これからどうしよう? 僕の趣味に合わせた格好…い、いわゆるコスプレ? とかをさせたり、あまり考えたくないけど性交を無理矢理にしたり、するのかな。でも僕はそんな事出来ない。もうこれ以上君が嫌がる様な事はしたくない。だって監禁とかしちゃってるもん、もう君の心は許容量を越えているんじゃないか…。
「ねえ」
驚いた事に先にこの重い沈黙を破ったのは君だった。
「あんたこの前私がバイトしてるコンビニに来た人でしょう」
覚えていてくれたのか。そう考えると嬉しくて口元が弛む。そんな表情を見てビビったのか君は一瞬顔を強ばらせた。
でもすぐに表情を戻す。僕が入りこむ隙を与えない様にしてるみたいで、それすらも綺麗と感じる僕はどうなんだろうね。やっぱりヘンタイかな。
そうだよ、と頷くと、君はやっぱりと言わんばかりにため息をついた。
「そうだよね…レジ終わった後もずっと雑誌持って私の方見てたもんね」
あ、バレてたのか。まあ仕方ないね。だってあの時君しか見る必要はなかったから。まあ見ることで僕を知っていてくれたんだし、その時君を見れたし、一石二鳥かな?
「で、なんで私を誘拐した訳?」
レジの時に感じた印象通り、淡々とした態度で話を進めて行く。
えーっと…これは告白しちゃえるチャンスじゃない? どう思われるかな…。えーい、玉砕覚悟だ!
「…君に、一目惚れしたから」
僕が緊張して告白まがいな事を言ってのけたのに君は「ふーん…」と言った。もしかしてどうでもよかったの? 落ち込むよそれ。
「あんたは…」
「…ん?」
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