OPENING -魂こがして-

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朝っぱらからコンビニ強盗の 通報があり、詩音は現場へ 向かっていた。例によって康平は まだ来ていなかった。 詩音が現場に到着した時には、 既にパトカーがマンションの 一階にあるコンビニの周りを 取り囲んでいた。 詩音は辺りを見回して知り合いを 見つけると、そこへ駆け寄った。 「ウノさん。」 ベテランの宇野が見取り図を 向いていた顔を上げた時には、 詩音は既に近くへと来ていた。 「康平は?」 宇野の一言目はこれだった。 「例によって遅刻です。」 詩音がそう言うと、宇野は 頭を掻いた。仕方ないといった 感じで、宇野は詩音に状況を 説明した。宇野はコンビニを 指差しながら、 「現場はあそこのコンビニだ。 監視カメラの映像を見る限り、 犯人は40代半ばの男。武器は、 おそらく火炎瓶だろう。」 宇野の説明が一通り終わった時、 周りの野次馬がどよめき立った。 現場のほうを見ると、犯人の男が 人質の女性を盾に外へ出てきた。 人質の前で火炎瓶とライターを 構えていた。 「下手なマネすると、これに 火点けるぞ!」 男は叫んだ。
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