OPENING -魂こがして-

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「逃走用の車用意しろ!」 男は要求らしき事を言ってきた。 その時、 「お前、交渉しろ。」 と宇野の声がしたかと思えば、 背中を押されて、詩音は犯人の 前に出された。宇野を見ると、 行けと合図をしていた。 「誰だ、お前。」 いきなり出てきた詩音に男は 慌てた感じで言った。 詩音は仕方なく、警察バッジを 出した。 「警察か。要求はさっき言った 通りだ。」 男は、詩音に言った。詩音も 話を始めた。 「やめたほうがいいですよ。 こういう強盗ってリスク高い ですよ。逃げれないと思いますし 今のうちに降参したらどうです?」 「う、うるせえ。銃、捨てろ。 さもないと、火点けるぞ。」 「わかった、わかったから。」 詩音は、脇のホルスターから グロック26を出して地面に置いた。 「お前、どいてろ。」 男は詩音をどかし、銃を取ろうと 一歩、前へと前進した。 その瞬間、二階のほうからなにか 黒い影が降ってきた。 その黒い影は康平だった。康平は 着地を成功させると、男の背後に 立った。そして男の肩をそっと 叩き、男が振り返った瞬間、 男の頬を一発ぶん殴り、よろけた 拍子に火炎瓶を蹴り上げた。
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