OPENING -魂こがして-

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蹴り上げられ宙を舞っていた 火炎瓶は、詩音がしっかりと キャッチした。 詩音が康平のほうを見ると、 康平は男にデリンジャーを向けた 所だった。 「ちょ、ちょっと。強盗だけで そんな銃向けなくても・・・」 そんな男を尻目に康平はタバコを 口にくわえた。 その直後に、デリンジャーが火を 吹いた。男が倒れた。 康平はそのまま、火を吹いている デリンジャー銃型のライターで タバコに火を点けた。男は、 完全に気を失っていた。 事の成り行きをただただ見ていた 野次馬の中から、制服警官が 飛び出してきて、男の身柄を 拘束した。 詩音は、火炎瓶を制服警官に 渡すと康平のほうへ駆け寄った。 康平は、口からタバコの火を 吐き出した所だった。 「何やってたんですか!?」 詩音は、康平に問い詰めた。 康平は特に後ろめたさも無い 口調で言った。 「朝飯食ってたんだよ。」 「は?」 詩音が溜息のような声を出した。 「そこのコンビニで飯買って 上で食ってただけだよ。」 そう言うと、顔を出していた 二階の住人に大声で、 「ご迷惑おかけしました。」 と言って頭を下げた。
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