非日常的な日常

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少年はパンを抱いて走っていた。 ……否、逃げていた。 「待てーっ!!!」 恐ろしい形相で追いかけてくるのは、中年のでっぷりとしたパン屋の店長。少年が抱えたパンは、パン屋から盗んだものだ。 「へっ、待てと言われて待つ奴が、どこにいやがる!!」 少年はにやりと笑うと、更にペースを上げた。醜く太った店長は、風のように走る少年にはとてもじゃないが、追いつくことができない。
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