非日常的な日常

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少年の話をしよう。 金色の髪に、碧い瞳。 ボロボロの服を着ている。 現在13歳。しかし、彼にはもはや日付の感覚が無いため、正確な年齢はわからなかった。 彼の名はマルク。 しかし、マルクの名を呼ぶ者は誰もいない。 ……彼には家族がいないのだ。 父親は事故で、母親は病気で他界していたのであった。 両親が亡くなり、マルクは一人ぼっち。他に兄弟も親戚もいず、この頃は孤児院もあまり数がなかった。 そのためマルクはいつも飢えていたのだ。この年では雇ってくれる所もなかった。 非力な少年が1人で生活する手立てはただ一つ。 盗み……だった。
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