7人が本棚に入れています
本棚に追加
「ゆうやくんー!ゆうやくんいるー?」
それを聞いてあたしは息が上がったまま、はあ、とため息をつく。
やっぱり『ゆうや』なのね。
たぶん今あたしの『名前』を呼んでる女の人は『喜荘』の人だろう。
声のする方へ顔を向けてみると、すぐに声の主がわかった。
背が高くてスレンダーな体型。
腰まである真っ黒なさらさらな髪。
紫の、少し派手なそのワンピースでも似合う、切れ長な目が特徴の端整な顔立ち。
たぶん道を歩くほとんどの人が目を引く美人。
…大屋さんだったりするのかな。
あたしは急いで駆け寄った。
最初のコメントを投稿しよう!