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20××年、十二月二十四日。
増え続ける未成年者の犯罪。窃盗、強姦、薬物、殺人と止まることなく増える事件に、日本の治安は過去に無いほど荒れていた。
過去、数十年間に渡る甘い教育方針がもたらした結果だった。叱らずに甘やかして育てた親。マニュアル通りにしか指導しない教師。
いつしか子供たちは己の欲望のままに生き、自分の気に入らないものは全て壊す。そんな身勝手極まりない者達でいっぱいになった。
止まらない未成年者の犯罪に政府は長年苦しんでいたが、今年の冬の国会で漸く一つの案が可決された。
未成年者選考計画――
「何これ」
隣を歩いていた友人の恵理花が急に声をあげた。佐々木未来は彼女の視線の先を追う。
渋谷スクランブル交差点にある巨大ビジョンには特報が流れていた。華やかな美人キャスターが原稿を読み上げている。
「本日、政府は議論の末、未成年者選考計画案を可決しました。明日、十二月二十五日の早朝より未成年者の捕獲を開始します。繰り返します――」
未来はビジョンを見つめたまま呆然としていた。流れているニュースが真実なのかわからなかった。未来だけではない。特報を見ていた若者全員がその場に立ち尽くしていた。
この日、大人は子供を見放した――
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