進撃

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「都督・・・・私が、軍の訓練や指揮をするんですか?」 まだ十七歳の私に、そんなことが出来るの・・・・? 「そうです。伝説となってしまったあの方がいない以上、それを任せられるのは貴女しかいません!」 玉座から立ち上がった女王様は、両拳を強く握ってそう言った。 確かに、陽一ほど人の前に立って指揮することに向いている人はそういない。 あんな性格だし・・・・。 でも、死んで伝説にまでなった陽一の代わりが、私なんかに出来る・・・・? 「お気持ちは嬉しいのですが、やはり私一人には荷が重すぎます。辞退させてください」 私には無理だ。 大勢の人の命を背負って戦うなんて、絶対に出来ない。 陽一一人の死でさえ、本当は壊れてしまうんじゃないかというくらい辛かったから。 「そう。では、キュム殿と二人ではどうですか?」
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