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「え?」
女王様の言葉に、つい声を漏らしてしまう。
都督は元来、その国で最も優れた者が一人で行う、王族の次に権力が強い職務。
「二人で・・ですか?」
それを二人でやるなんて、考えてもみなかった。
「そうよ。確かに、都督は一人で行うのが伝統になってはいるけど、今はそんなものに縛られてる時じゃない。もしもその事や、若い貴女達が指揮をとることに批判をするものがいれば、これを見せればいいわ」
女王様はそう言うと、私の方に近付いて来て、目線が私と同じになるようにしゃがみ込んだ。
・・・・いい香り。
女王様が私に近付た事で、上品で優しい香りが私の中に入ってくる。
顔を上げると、そこには笑顔で自分の世界一豪華な装飾が施された杖を私に差し出す女王様の姿があった。
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