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「そんな大事な物を頂くわけにはいきません! だいたいそれは、王族の方だけが持つことを許された杖じゃないですか!?」
本当ならば、その場からズザザザザザと後退りしたくらいの気持ちだ。
それを抑えて、声が裏返らないように言う。
「噂通り、真面目な人みたいね。・・・・では、貴女を我が一族に迎え入れましょう」
・・・・?
「えぇーーー!!!!!!」
これには流石に座ったまま後退りしてしまった。
王族に迎え入れるって・・・・それこそ無理!
「いえ、それは流石に・・・・」
「これは命令よ。ルピア・インデリンド・ル・ロシェル。貴女を王族の養女として迎え入れます。・・・・といっても、今や私と母様だけの小さな王族ですけどね」
女王様はそう言って笑顔を浮かべているけど、それは寂しさを隠した笑顔だった。
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