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「陽一、何故ここで止まっている?」
ここは・・・・
確かに普段、冥王が留まっている場所だ。
だがどういうわけか、今はもっと奥から冥王の魔気を感じる。
「上、見てみろよ」
上?
上など、ただの闇しかない・・・・なんだあれは!?
陽一の言ったとおり上を見てみると、闇しか無いはずのその場所には、巨大な渦のようなものが出現していた。
「陽一・・・・なんだあれは?」
白い翼を生やしてただ呆然と黒い渦を見上げている陽一に聞く。
「俺が知るわけないだろ。でも・・・・冥王は間違いなくこの先だ」
陽一の口調は、いつもよりもゆっくりでおとなしい。
「そんなはずはない! 冥王の魔気はまだ先にある!」
それとは対称的に、俺は怒鳴るようにそう言った。
「そうか。だったら、俺だけで行く」
そう言った瞬間、陽一は白い翼を羽ばたかせて超スピードで渦の中へ突入した。
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