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「なに・・・・この量」
冥王軍の前に立った私達は、地面から出てくる人の形をした何かを見ていた。
キュムがその数を見て、静かにそう呟く。
キュムがつい言葉に出してしまうほど・・・・敵の数は多い。
それは、私達の前方の視界全てを塞いでしまうほどに。
「大丈夫よ。さっき移動している時に、学院長やアリン達を呼んでおいたから」
私は強気に口元を緩めてそう言った。
いくら強がっても、私の額からは汗が溢れ出て来ていたけど。
「呼んだって・・・・この数相手にどうやって戦うのよ!?」
キュムは恐怖のあまりか、焦りのあまりか、柄にもなくそう叫ぶ。
確かに、ちょっとくらい数が増えたって戦況が変わるわけじゃない。
・・・・私達に勝ち目はない。
そんなこと、戦う前からわかってるんだ。
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