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二人の声が辺りに響くと同時に、莫大な量の魔気が私の隣で放出されはじめる。
それは、私の覚醒状態と同じように、視覚化されて目に見えるほどの濃度。
二人は莫大な魔力を使って、それぞれ魔法を発動させた。
お姉ちゃんの体を中心に、まるで台風がこの場で発生したような暴風が吹きはじめる。
これは乱風刃ね。
私の思った通り、お姉ちゃんの体が全方向に放出された風は、お姉ちゃんの決めた相手だけを見えない刃となって切り裂いていく。
一方キュムは、杖を天に向けて振り上げると、呪文を詠唱した。
杖から細い光が天に向かって伸び、そこから真っ黒な雲が発生する。
その雲は一気に大きさを増し、自然では絶対に出来ないような大きさの積乱雲となる。
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