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突然背後から、少し高めの男の声がした。
慌てて振り返ると、私の真裏に私に背を向けて立っている人がいた。
全く気付かなかった・・・・・・。
こいつ、他の雑魚とは違うわね。
すぐに距離を取りながら、相手をじっくりと観察する。
少し青がかった黒い長い髪を揺らして、そいつは私の方を向く。
「あんた何者?」
魔力はさっきまでの溜めで、かなり溜まっている。
この白光完全覚醒なら、おそらく一撃で消し飛ばせるわね。
それでも、こいつが他の雑魚のように特定の系統しか効かないってこともあり得る。
まずは様子見ね。
「私はゼルヴというものです。あなたの敵か味方かといえば」
するどい瞳は髪の毛とは違って黄色い。
そう思って、一瞬瞬きをする。
刹那、敵の姿は私の眼前から消えていた。
「もちろん敵ですよ」
次の瞬間、私の耳元で声が聞こえた。
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