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その光景を見た私は、一瞬時が止まったように感じた。
ルピアがやられた・・・・・・。
ルピアの体は力なく、崩れるように地面に倒れこみ、ほとんど動かなくなってしまう。
「ルピア!!!」
私は戦うことも忘れて、ルピアのもとに向かって走った。
ルピアを倒した敵は、不敵な笑みを浮かべながらただ私を見ている。
もしかしたら、隙をみて攻撃してくるかもしれない。
でもそんなことはどうでもよかった。
親友が死にかけている。
その事実の前では、自分の保身などどうでもよくなってしまったのだ。
ルピアのもとに駆け寄った私は、すぐに傷口を確認する。
へその辺りを刀で一突き。
ルピアは痛みのあまり意識はないが、息はしていた。
私がルピアをみている間も、敵は攻撃してくる様子がない。
「キュ・・・ム」
一瞬敵に視線を移した時、ルピアが意識を取り戻して話しかけてきた。
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