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「いいんですか? 折角の救援を帰してしまって」
キュムが戻ったことを確認したセルヴは、私に視線を戻して聞いてくる。
「いいのよ。・・・一緒にいられると、私の冷徹な一面見られちゃうじゃない」
・・・そう。
私は元々、感情がないんじゃないかと言われるくらい冷徹な人間だった。
戦争でもたくさんの人を殺し、血を浴びた。
それが・・・楽しくてたまらなかった。
でもそれは、カルカスに会ったことで変わった。
無敵だった私を倒し、カルカスは倒れた私に近づいた。
殺されるんだと・・・自分の命はここで尽きるんだと思った。
でも、怖くはなかった。
大切な人はいない。
守るべきものはない。
自分に生きている価値なんてない。
そう思っていたから。
「ホッホッホ。君は強いね。・・・よければ、私たちの力になってくれないか?」
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