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目は殺意がこもり、私を見据えている。
・・・嫌な目ね。
まあ、もう殺すから関係ないんだけど。
そう思った私は、杖を大きく縦に振った。
その瞬間、セルヴの体の至る部分から闇が吹き出してくる。
それは、密度が限界を超えて、膜を突き破って出てくる空気のように。
その姿を見ても、さっきのように喜べない。
セルヴの笑みが、どうしても気になってしまうから。
しかしセルヴは、そのまま闇に呑まれて灰のように、粉々になってしまった。
・・・偽物?
そう考えたけど、こいつの気配はさっきからこの姿になるまで、全く変わらなかった。
それは則ち、セルヴ本人がこの姿になったということ。
「終わった・・・」
心の中に妙な違和感を残しながらも、キュム達の救援に向かうため、セルヴ"だったもの"に背を向けた。
「ククク・・・やってくれるじゃないか」
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