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相変わらず、凄まじい威力の炎龍だ。
あれは喰らったら、結構なダメージを受けるだろう。
……まあ、喰らうことはないが。
全てを焼き尽くした炎龍はその姿を消し、包み込まれていた場所があらわになってくる。
そこには何もなく、ただの"空"だけが残っていた。
冥王の姿も、どこにも見当たらない。
というか、魔気自体を全く感じない。
……もしかして、本当に死んだ?
「陽一うしろ見て!」
突然、ルピアがそう叫ぶ。
その表情は、怒っているようにも、焦っているようにも見えた。
言われた通り、後ろを見ようと首を動かす。
「ぐっ…………」
その瞬間、背中から何かが体を貫通したような痛みに襲われる。
視線を下に向けると、腹からは薄い水色の刀身が突き出していた。
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