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「わる……い。回復……して……くれ」
痛みで声が出しづらくなってきたな。
草原でルピアを下ろした俺は、その場で仰向けに倒れる。
「わかってる!」
ルピアもどうして連れて来られたのか、理解してくれていたらしい。
すでに杖を俺に向けていた。
あったけぇ…………
白く温かい光に包まれ、俺の体に開いた穴はみるみる塞がっていく。
やっぱり、白の再生は魔力を大幅に減らしてしまうらしい。
ルピアは、すでに息が上がり始めている。
そう考えている間に、俺の体の穴は完全に塞がっていた。
「悪いなルピア。お前はゆっくり休んでから来てくれ」
体を起こし、立ち上がりながら話し掛ける。
そして翼に力を入れて羽ばたき、風を巻き起こして、数センチ浮いた。
「ちょっと待って」
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