冥王降臨

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なんだ? すぐにでも行かないと、キュムやヴィルダム達がヤバい気がするんだが。 しかし、ルピアの真剣ながらも俯いている顔を見ると、そんなことは言い出せない。 羽ばたくのをやめて、草の上にあぐらをかいて座った。 「どうした?」 ルピアも俺に合わせて、その場に座る。 相変わらず俯いたままだが、辛いことでもあったんだろうか。 「私ね、陽一を偽者だと思ってた」 突然の告白。 そんなこと言われても、正直困るのだが。 「だけどね、あんたが刺された時、声も出ない程悲しくなったわ。偽者かもしれない、あんたによ」 偽者だと思っても、姿形が俺だったから? それくらいしか思い付かない。 「姿形は、陽一そのものだったから」 やっぱりか。 「でもね…………」
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