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あれから十分以上経過したけど、冥王が現れる気配はない。
冥王の魔気も、全く感じられないし。
「どうやら、本当に退却したみたいだな」
これ以上警戒してても、疲れるだけな気がする。
光刃刀はどう思う？
『確かに、ずっと警戒してても意味ないな。ルピアでも迎えに行ったらどうだ？』
確かに。
ルピアは魔力消費してるから、戻ってくるのも大変だろう。
両手で構えていた光刃刀を右手だけで持ち、そのまま鞘に納める。
「確かにお前の言う通り、冥王は冥界に戻ったらしい。……追撃するか？」
ヴィルダムも自分の剣を鞘にしまう。
追撃する……か。
「今はやめとく。このままじゃ勝てる気がしねえ」
背後を取られるようじゃ、まだまだだ。
もっと強くならなきゃ、冥王に攻撃を当てる事なんて出来ない。
……でもどうやって？
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