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相変わらず、自分でも感心するくらいのスピードだ。
十キロ以上離れてるのに、一瞬でたどり着く。
ほとんど瞬間移動だな。
「あれ……? 戦いに行ったんじゃないの?」
草むらに座り込んでいたルピアの前に着地すると、不思議そうな顔で見られた。
まあ、当然といえば当然なんだが。
「そうなんだけどよ。冥王がいなくってさ」
心地よい風が俺とルピアの間を通り抜け、髪を揺らす。
ここにいると、戦いなんて無いみたいに感じる。
平和だなって、感じてしまう。
「それで、魔気の揺れが無かったんだ」
なんだか、ルピアがおとなしい。
おしとやかな感じの女の子みたいだ。
「魔気の揺れって、こんな遠くまで伝わるのか?」
そう感じるのも、この平和で穏やかな空気のせいなんだろうか。
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