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雲一つない空は、本当に澄み切っている。
周りの草は風に揺らされて、自然を感じさせてくれる。
日本にはない景色。
最初はこの世界が信じられなかった。夢であってほしいと願った。
だけど今は、現実であってよかったと思う。
「ルピア」
ルピアの名前を口にし、手招きをする。
「なに?」
不思議そうな顔をしながら、ルピアは体を少しだけ俺に近付けた。
俺はその体の背中に腕を回し、自分の元へ引き寄せる。
「お前の希望のものだ」
そういって、静かに唇を落とした。
一瞬だけのキス。
だけどそれだけで、俺達が再び会えたことを実感し、喜び合うには十分だ。
「ありがとう」
再び微笑んだルピアは、そう言って俺から離れる。
「戻りましょ。皆のところへ」
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