消えた仲間

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「そうだな」 差し出された左手をとり、俺達は同時に立ち上がる。 戦いが終われば、この幸せがずっと続く。 俺とルピア、父さんに母さん、キュムやアリン、皆と一緒に楽しく生きていける。 ラミールの言う通りなら、体を得た俺は生き返ったって事になるわけだしな。 寿命で死ぬまで、地上にいることが出来る。 願わくば、死んで生まれ変わっても、皆と……ルピアと一緒にいられますよう。 「よし、行くか」 空を眺めていた俺は視線をルピアと戻し、ルピアを抱えた。 お姫様抱っこというやつだ。 「なんか恥ずかしい…………」 ルピアは俺から目をそらして呟く。 「フッ」 そんなルピアを見て小さく笑い、翼を羽ばたかせた。 さっきとは違い、ゆっくりと空を飛びはじめた。
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