消えた仲間

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三十分ほど飛びつづけると、トリギスティア王宮が見えてきた。 冥王軍との戦いの傷痕なのか、城壁の一部が壊れている。 敵にも遠距離攻撃使うやつがいたんだな。 ……って、当たり前か。 「あの城壁壊したの、お前かぁ?」 空を飛びながら、抱えているルピアを見てからかう。 「ちっ……違うわよ! あれは敵の攻撃!」 顔を赤くして、ムキになって否定する。 顔が赤いのは、お姫様抱っこのせいかもしれないが。 「ハハッ! 冗談だ」 そんなくだらない会話をしている間に、王宮の上空を通過。 もう皆が見えてもいいはずなんだけど、見当たらねえな…………。 王宮あったから、方向はあってるはずだし。 「あれ? この辺じゃなかった?」 首だけを傾けて下を見たルピアがそう言う。 やっぱりこの辺で合ってるらしい。
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