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ルピアも、同じ事を考えていたらしい。
というか、この状況なら誰でも同じことを考えるだろう。
俺達の足音以外、音が何もしないのだ。
「なんだか、不気味だね」
俺の手を握るルピアの力が少し強くなる。
確かに不気味だ。
握られた手を、俺も握り返す。
その時、背後で高い音が響いた!
「なに……今の?」
ルピアは、明らかに怯えている。
もしかして、こういうの苦手なのか?
今はそれどころじゃない。
今の音はプラスチックを高いところから落としたような音だ。
ということは、人がいるって事だ。
「行ってみようぜ」
振り返ってルピアを見ると、小さく頷く。
どうやら、本気で怖いらしい。
「怖いなら、抱き着いてていいぜ」
敵がいたって、一瞬なら左手や足だけで対処できる。
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