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「ちょっと離れてろ」
万が一を考えて、ルピアには下がっていてもらう。
冥王でもいない限り、俺が一撃でやられることはない。
生きていれば、ルピアに回復してもらえる。
「わかった……」
ルピアは呟くように答えると、ゆっくりと俺の腕から離れた。
いつもの王宮が、今じゃ恐怖の館だ。
雰囲気だけで、こうも感じ方が変わるとは思わなかったな。
光刃刀を両手で構えて、後方以外の全方向を警戒しながら、一歩前に進む。
廊下とは対称的に、青い絨毯が敷かれた大きな部屋。
天井からはシャンデリアがぶら下がり、その下には大きな細長いテーブルが一つ。
とりあえず、奇襲ってことは無いみたいだ。
姿を消す能力でもなきゃ、見えないことは無いだろう。
少しだけ、緊張感が解ける。
そして、ゆっくりと部屋の中を見渡した。
「なんだ……これ」
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