消えた仲間

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だけど、そんなこと言ってる場合じゃない! 仲間が冥王に連れ去られたってんなら、一刻も早く助けに行く。 そのためなら、悪魔にだってなってやる! 「その力、俺にも与えてくれ!」 敵かもしれないやつにこんなこと頼むのは変な気分だ。 だけど、今は敵じゃない。それだけは確実みたいだ。 どんな理由であれ、冥王を倒すのを手伝ってくれるんだからな。 「陽一……」 俺を心配してなのか、ルピアが後ろで不安そうに呟いた。 俺はすぐに後ろを向き、ルピアに目線を合わせるためにしゃがむ。 「心配すんな! 俺が悪魔になんてなるわけない!」 不安はある。恐怖もある。 それでも、それを見せないように精一杯の笑みを見せた。
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