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もう驚かねえぞ……。
般若の魔法に決まってるからな。
ルピアは数歩下がった場所に立ち止まったまま、宙に浮く面を見つめている。
面は、俺の目線の高さまで来て動きを止める。
「その顔で俺を見るんじゃねえよ」
般若面なんかに見られてると、本当に呪われそうだ。
「気にするな。ところで、なんで俺を探さないんだ?」
動いたお面の口から発せられたのは般若の声。
あいつは本当になんでも出来るらしい。
「何処にいるかわかんねえんだから、探せるわけねえだろ。世界中とか広すぎなんだよ」
「フッ。確かにそれもそうだな。だったらヒントをやろう」
ヒント?
あるなら最初からくれよ……。
「俺はずっと、ある一カ所に留まっている。ただし、魔気は世界中に散らばっているがな」
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