死んだ大都市

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死んだ大都市……般若も言ってたな。 大都市っていうのはわかるが、死んだってのはどういう事なんだろうか? 「なんで、"死んだ"大都市なんだ? 一度は繁栄したけど、腐敗して今はド田舎とか?」 大都市として死んだ……なんか違う気がする。 それに、そんな理由でルピアが怯えるはずがない。 「違うわ。ううん……細かく言えば違う。大まかに言えば"繁栄した大都市が衰退"したという事であってる」 俺の前に座っているルピアは、弱々しく声を発する。 寒いわけではないのに、まるで極寒の雪山にいるかの如く震えている。 なにがこいつをここまで怖がらせるのか。 それはもうすぐわかる。 「衰退した理由は…………都市内の人間全てが抹殺されたこと」 抹……殺。 何を理由に? 罪でもあったのか? それでも、都市内全てが罪人なんて有り得ない。 「それをやったのは、貴族だった私の父。その横に子供の頃の私はいたの。大量殺戮を、小さな頃の私は目の前で見せ付けられた」
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