死んだ大都市

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無言のまま、俺の手を掴んだまま。ルピアは杖を振る。 杖を振る瞬間は、手を握る力が強くなった。 俺と一緒とはいえ、やっぱり怖いんだろう…………。 景色が一瞬にして流れ、目の前には違う風景が映し出された。 「うわ……」 死んだ大都市。なるほど、ピッタリだ。 瞬間移動したのは空中。都市全体が見渡せるほど高い場所だ。 そこからでも、名前の由来がわかってしまう。 玄武との戦いで俺は城を破壊したけど、それと同じようながらくたが数十キロに渡って広がっている。 普通に建物として残っていれば、確かに大都市だ。 夢玉は地球に比べて何かと規模が大きい。 太陽も建物も都市も格差も。 大雑把なんだろうか。 「行きましょ……」 小さくそう言ったルピアはゆっくりと降下を始めた。
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