進撃

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いや違う。 あの中にいるのは間違いなくバジルだ。 姿は変わったみたいだが、気配自体はさっきと変わらない。 揺れる地面の上空でそう考えていると、バジルを中心に嵐のような突風が巻き起こった。 俺は思わず腕を顔の前で交差する。 さっきからなんなんだ? あいつは気候でも操る力を手に入れたのかよ。 「フッ・・何をしている。もう終わりか?」 風により吹き飛んだ砂埃の中から現れたバジルの背中には、巨大なコウモリのような羽が生えていた。 あの形態、身長は俺より小さいが、翼は俺より遥かにでかい。 さっきの突風は、あの羽で起こしたんだろう。 てか、さっきまで集めてた黒い魔気はどこに消えた? それに、右手に持ってる槍みたいなのはなんだ? 疑問ばかりが頭の中に浮かんでくる。
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