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先輩が桜に殴り掛かって三分後
「すみませんでした! もうしません」
顔が三倍位になった先輩が、桜に土下座をしていた。
「もういいよ。 早くお家に帰りなよ」
桜がニッコリと笑うと、素早く先輩は居なくなった。
「ふぅ…んで、大丈夫?」
捕まっていた女の子の方を向く。
「あ、ありがとう…」
桜の喧嘩を間近に見たから、呆気に取られた表情でお礼を言う女の子。
「気をつけて?」
桜はその場からまた走り始めようとする。
「あの! 名前は!」
女の子は桜の後ろ姿に声をかける。
「桜だよ! またね!」
そう言って、走りはじめた。
「桜君か…」
女の子は微笑みながら桜の後ろ姿を見ていた。
女の子と別れた後、桜が入学式をサボった事で、ゴリラのような先生に怒られていたのは、誰も知らない。
「一日目から最悪だぁ!」
「黙って反省文を書け!!」
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