序章

2/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
「それは何をしてるんだい?」 突然、その人はそう問いかける声を聞いたんだ。 その人はびっくりしただろうね。 動物ならきっと恐くて逃げ出していたんじゃないかな、この間の鳥兎みたいに。 そうそう、鳥兎はとても恐がりだから、一緒に遊びたいのならゆっくり時間をかけて友達にならないとダメだよ。 この間みたいに追い回したら逃げられてしまうからね。 でもその人はあの鳥兎とは違っていた。逃げなかったんだ。 周りを見回して、しばらく首をひねってから、その問い掛けに答えたんだ。 何と答えたのかって? さぁ。何だろうねぇ。 ご飯を食べようとしていたのか、川で洗濯をしていたのか、友達と遊んでいたのか、愛する人とお話しでもしていたのか。 とにかく、今している事を教えてあげたってことだけは間違いないんだ。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!