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エドは男の視線を遮るように半歩左へと移動し、改めて言った。
「はい、僕です。僕が参加したいんです」
「そうか……一応確認しておくが、お前さんは貴族のご令嬢の名誉を代理しているとか、どこかの騎士の委任状をもっているとか、そういうわけではないんだよな」
「そんなものがあったら、こうして頼んだりしていませんよ」
「違いない」
相手の男は頷き、微笑とも苦笑とも取れるような笑みを浮かべた。
その表情だけ見ると、髭(ひげ)を蓄え温和な微笑をたたえていた宿屋の主人…。
と言えなくもない。
だが、中肉中背のその身体は服越しからもはっきり見て取れるほど鍛えあげられており、むき出しとなっているその腕にはいくつもの傷がある。
そして腰には一本の立派な剣。ただの気のいいおじさんなどでないことは明らかだ。
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