第一章~終わりの始まり~

11/16
前へ
/16ページ
次へ
艦橋で将校達が、モニターに映るファーストサンプルを観て、勝利を確信していた。 その時、艦橋のドアが開き、青髪の研究者が入ってくる。 「それは難しいでしょう…」 その一言で、一気にその場の空気が凍りつく。 「何を根拠に言ってるんだ君は!!」 将校の1人が声を荒げる。 「理由は簡単です…まず装備がありません。研究の為、装備は全て火星本部で管理されています。それに、今までの動きを見たところ、チルドレンに配備されている"ライトエース""レフトキース"の半分のスペックもありません。そして極めつけに…」 青髪の研究者は、モニター内に映されているレーダーを指差す。 「あの反応は、隊長機の"ゲイボルグ"です。あれに乗っているのは…」 その"ゲイボルグ"の名を知らないクルーはいなかった。 「チルドレン…!!」 将校が口にして、みるみる青ざめていく。 「あの少年…いつまで持つだろうか」 青髪の研究者は、なんともいえない心境で、モニターを見つめる。 「くそっ!! これはちょっと…」 レイは、"ボルグ"に連携をとられ、苦戦を強いられていた。 動けずにいると、広域に発せられた通信をキャッチした。 <聞こえるか!? ファーストサンプルのパイロット!! 聞こえたら返事をしろ!!> 声は若い男の声だった。 次の瞬間、目の前に"ボルグ"とは少し違う、隊長機らしき機体が目の前に現れる。 何が目的かは分からないが、目の前に来られては返事をするしかない。 レイは回線を開き、返事をする。 <こちら、ファーストサンプルのパイロット。なんの用ですか?> いつ襲ってくるか分からない相手に、いつでも対応出来るよう、最低限の間合いを取る。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加