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艦橋で将校達が、モニターに映るファーストサンプルを観て、勝利を確信していた。
その時、艦橋のドアが開き、青髪の研究者が入ってくる。
「それは難しいでしょう…」
その一言で、一気にその場の空気が凍りつく。
「何を根拠に言ってるんだ君は!!」
将校の1人が声を荒げる。
「理由は簡単です…まず装備がありません。研究の為、装備は全て火星本部で管理されています。それに、今までの動きを見たところ、チルドレンに配備されている"ライトエース""レフトキース"の半分のスペックもありません。そして極めつけに…」
青髪の研究者は、モニター内に映されているレーダーを指差す。
「あの反応は、隊長機の"ゲイボルグ"です。あれに乗っているのは…」
その"ゲイボルグ"の名を知らないクルーはいなかった。
「チルドレン…!!」
将校が口にして、みるみる青ざめていく。
「あの少年…いつまで持つだろうか」
青髪の研究者は、なんともいえない心境で、モニターを見つめる。
「くそっ!! これはちょっと…」
レイは、"ボルグ"に連携をとられ、苦戦を強いられていた。
動けずにいると、広域に発せられた通信をキャッチした。
<聞こえるか!? ファーストサンプルのパイロット!! 聞こえたら返事をしろ!!>
声は若い男の声だった。
次の瞬間、目の前に"ボルグ"とは少し違う、隊長機らしき機体が目の前に現れる。
何が目的かは分からないが、目の前に来られては返事をするしかない。
レイは回線を開き、返事をする。
<こちら、ファーストサンプルのパイロット。なんの用ですか?>
いつ襲ってくるか分からない相手に、いつでも対応出来るよう、最低限の間合いを取る。
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