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確かにそうなんだが、ここまでするのはどうかと思った。
「では士官室にでも施錠した後拘留しておけ。見張りも忘れるな」
将校は指示した後、ファーストサンプルへ向かう。
「ほら、ついて来い。抵抗はするな?」
武装した軍人に囲まれて、レイは士官室へ送られる。
研究者や整備士達が、ファーストサンプルのコックピットを見て、困惑の表情を浮かべる。
「これは…どういう事なんだ?」
「はぁ…敵を倒して拘留って、まぁ民間人だから仕方ないんだろうけどさ~。この扱いはちょっと苦しいよね」
十畳程の、ベッド以外何もない部屋に、レイは手錠を掛けられた上、拘束服を着させられていた。
室内には見張りは無く、部屋の外に2人いるだけだった。
「誰も見てないし、少しくらいならいいよね?」
レイは関節をパキポキと鳴らし、身を捩らせる事十数秒、拘束服を脱ぎ捨て手錠も外す。
「弟達とおやつを賭けて脱出時間競ってて良かった」
関節を戻しつつ、一息入れる。
「あとどれくらいで火星に着くんだろう? それ以前に、無事に帰してくれるのかな~…?」
レイは手錠をクルクルと回して、退屈な時間を潰していた。
「動かせないとはどういう事だ!?」
格納庫に将校の怒鳴り声が響き渡る。
「初めてコックピットを見ましたが、この様な操縦システムは今まで見たことありません。それ以前にシステムの起動方法すら分かりません。できる事といえば"ドール"の整備位です。本部に行けば何かしらのデータが取れるかと」
研究者達が肩を落としながらコンピューターのディスプレイを見る。
研究者達としては、貴重なファーストサンプルのデータが取れるのが、一応楽しみだったらしい。
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