第一章~終わりの始まり~

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時は流れて聖暦2725年。 戦争によりお互いは技術を競い合い、全高約18メートル程の、ドールと呼ばれる人型の機動兵器を操縦して戦っていた。 しかし、それだけの機体を動かすには複雑なOSを要するため、操縦出来るものも限られていた。 その操作には適性があり、そのレベルに応じてFからSまでに分けられていた。 コロニー側はSクラスの操縦者が3人、火星側には2人いた。 Sクラス1人でかなりの戦力を有していたため、火星側はこれを危機的状況と判断。 Sクラス育成を目的とした教育施設を設立。 素質があると思われる人達を集め、操縦者育成に力を注いでいた。 教育を受ける生徒、家族には特別な待遇がされるため、候補者は増えていった。 だが残念な事に、まだ成功には至ってなかった。 そして火星側の政府は、地球に住んでいるある男に声を掛けた。 「じっちゃ~ん! じっちゃ~ん! 今日もいつものやればいいの?」 地球の地下に設立されたとあるシェルターの中、少年の声がシェルターに響き渡っていた。 「そんな大きな声を出さんでも分かるわ!!」 そう怒鳴りながら、つなぎをきた白髪の老人が、自動ドアから入ってくる。 「もう飽きたがらレベルMAXまで上げてよ。敵弱いし数も少ないし」 エッグ型のカプセルを指差して、少年は白髪の老人に文句を言った。 「仕方ない奴だのぉ…中に入って待っとれ」 そう言うと老人は、カプセルの裏へ回り、機械をいじり始めた。 「よっしゃラッキ~♪」 少年は鼻歌混じりにカプセル横の電子パネルを操作し、中へと入る。 中にはシートが設置してあり、そこに座る。 シートの周りは360°液晶に囲まれていて、席に着いたと同時に、液晶に宇宙空間が映し出された。
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