第一章~終わりの始まり~

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「準備はええか?」 外から老人の声が聞こえてくる。 「もちろん!!」 足元に置いてあったヘルメットを被り、左右に設置されている、操縦桿代わりに備え付けられている半円形のパネルに手を置く。 「アウェイクン!!」 少年の声に反応して、プログラムが起動する。 "第一ステージ、スタート" その音声と同時に、目の前に敵が現れ、戦闘が始まった。 "ミッションコンプリート、お疲れ様でした" 「ふぅ…まぁまぁだったな」 ヘルメットを脱ぎ、カプセルから出る。 「もうレベル上がらないんだっけ…残念」 「文句を言うでない。ほれ、遊びは終わりじゃ。火星見学に行くんぢゃ、自己紹介の練習をせい」 そう言うと、老人はカプセルの裏へ回り、機械をいじり始めた。 「ふふぅ…緊張するなぁ~」 緊張で胸を押さえながら、全身が映る鏡の前に立った。 「えっとマイネームイズ? レイ・シノノメ。ナイストゥーミィートゥ~…っよし完璧!!」 「ヘタな英語は使うでない!! 自分から田舎者と言っているようなものぢゃ!!」 自己紹介を聞いていたのか、機械の裏から老人が叫ぶ。 「うまくなればいいんでしょ? 大丈夫、火星に着くまでに1日近くあるんだから、それまでにはなんとかなるよ…ってヤバい!! そろそろ時間じゃないか!!」 壁に掛かった時計を見て、慌てて荷物をまとめる。 「なんじゃ? もうそんな時間か…では護送艦まで送ってやるかの」 「ありがとじっちゃん!!」 カプセルの近くに置いてあった自分専用のヘルメットを手に取り、地上へと上がるエレベーターへ急ぐ。 「これに遅れたら次いつ火星に行けるか分からないからな~! じっちゃん早く早く!!」 駆け足で向かいつつ、ゆっくりと歩いてくる老人を急かしながらエレベーターに乗る。
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