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よく分からないが、偉そうな軍人たちがじっちゃんに頭を下げていた。
「そうじゃ、ほれ…挨拶せぃ」
じっちゃん事シノノメ博士は、レイの背中をポンッと叩く。
「あっ…どうも、レイ・シノノメです。よろしくお願いします」
レイは深くお辞儀をして、一応礼儀正しく挨拶する。
「君の様な子が火星に来れることは先ず無いからな…ゆっくり見学していくといい」
何故かレイに対しては、軍人全員が冷たかった。
「シノノメ博士、例のオプションパーツ、確かに受け取りました。あれさえあれば、我らの戦力も格段に上がる筈です」
「それはなによりじゃな。その代わり、絶対約束は護るんじゃぞ!」
今まで一緒に暮らしていて、あまり見たことの無い表情で、じっちゃんが言った後、レイの防塵スーツの懐に何かを入れて、車へ戻っていく。
「ちょっとした御守りじゃ。大事にするんじゃぞ!」
「あっ、うん」
それだけ言うと、じっちゃんは車に乗って孤児院に戻っていった。
「では着いて来たまえ」
お偉いさんの指示に従い、戦艦の中へと入っていく。
入り口が閉まり、轟音がしたかと思うと、独特の浮遊感がレイに伝わる。
「ここは格納庫だ。まぁ君には関係無いがね」
そこには、量産製に優れた18メートル程のドールが5機格納されていた。
「では部屋まで案内しよう」
「はい」
リフトに乗って、上に上がる途中に、シートが被せてあるドールと思われるものが見えた。
(なんでシートなんて被せてあるんだ? もしかして特別仕様か?)
リフトを上がりきり、部屋に向かって廊下を歩く。
お偉いさんと歩いていると、白衣を着た青髪の男が、お偉いさんに寄ってきて話し掛ける。
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