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「やはり、ファーストサンプルからはこれ以上データは取れません…操縦システムも操縦桿を使ったものではない様ですし…なんとか起動さえできればいいのですが…」
「それをなんとかするのが君達研究者の仕事だ! 弱音を吐いている暇があったら努力したらどうだ!!」
「…了解しました」
内容はさておき、どういう状況かは理解できた。
(本当にうまくやってけるんだろうか…)
ふとレイは、廊下の窓から外を見る。
レイを乗せてすぐに離陸したのか、既に大気圏を抜けようとしていた。
(もう宇宙なのか…宇宙から見ると、流れ星も随分と近いな~)
宇宙空間を横切る光を見ながら、レイは感心していたが…。
「あの光…こっちに来る!?」
その直後だった。
突如戦艦全体に、敵の接近を知らせる艦内アナウンスが響き渡る。
<敵影確認、認識…コロニー側、革命軍の先鋭部隊と思われます! 総員、第一戦闘配備!! 繰り返します!! --。>
「えっ…?」
戦艦内のクルー達が、慌ただしく持ち場に付く。
"ドール"のパイロットと思われる人達が、レイを横切りリフトで格納庫へ向かっていった。
「何故だ…何故バレた!? どこから情報が漏れた!?」
お偉いさんである軍人は、外を見て苦悶の表情を浮かべる。
「この艦大丈夫なんですか!? 武装は殆ど無いって聞きましたけど…」
レイは状況を見て、軍人に聞いてみる。
「素人は黙ってろ!! 私は由緒正しい家系の将校だ!! この程度の事なんとでもなる!!」
そう言うと、レイを置いて奥へと進んでしまった。
「くそっ…。あなたは研究者ですよね? 研究者としてこの状況をどう思いますか?」
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