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その直後レイは走り出し、降りていくリフトに飛び乗った。
「っ!? 何を!?」
突然の事に、青髪の研究者が驚きの声を上げた。
「出来ることをやれって言われてね。だからそれを探す為に来た」
リフトを降りて、辺りを見渡す。
だがその直後、艦内が大きく揺れた。
「うわっ!?」
「攻撃が始まったんだ!!」
よろめきながらも、奥へと進んでいると、"ドール"らしきものに掛かっていたシートが外れる。
「あれは…?」
そこにあったのは、全長17メートル程の、メタリックグレーが基調の"ドール"が立っていた。
「あれはファーストサンプル、火星軍の保有している"ドール"の原型で、とても貴重な機体だ。正し--」
「これだ!!」
レイは機体のすぐ横にあるリフトに飛び乗り、胸部にあるコックピットまで上がる。
手を翳すと胸部が開き、コックピットに入る。
「ダメだ君!! その機体は--」
何かを言っている途中だったが、コックピットが閉まり、遮られてしまった。
「このコックピット…そっくりだ」
コックピット内の構造は、孤児院にあったゲームとほぼ同じだった。
「だったらいける!!」
操縦桿の代わりにある、半円形のものに手を置く。
「アウェイクン!!」
その声に反応して、機体のプログラムが一気に起動される。
<声紋認証…新規登録完了。掌紋により01と判断…。システム、オールグリーン>
全てのプログラムが正常に起動し、画面上に8の文字が浮かび、発進準備が整う。
「レイ・シノノメ、えっと…エイト、行きます!!」
ハッチが開き、その向こうには夢に見ていた星空が広がっていた。
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