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「クスクス」
笑いが止まらない。
私は授業もそっちのけで、指輪を教室に射し込む夏の陽光に透かす
プラチナがキラキラして綺麗だ。
この指輪の価値はそれだけではない。
私の誕生日に兄がオーダーメイドしてくれた完全なるオンリーワンだ。
オンリーワン
世界に一つしか存在しないデザイン。
そう考えるだけで胸が踊る。
今まで既製品にしか縁のなかった私にとって、何物にもかえがたい宝物だ。
(は!!)
そこで私は気付く。
これを無くしてしまったら、もう二度とこの指輪を手に入れることはできない。
(た、大変じゃない!)
私は指輪を学校に持ってきたことを後悔する。そして、指輪を無くさぬように握り締め、じっと授業が終わるのを待った。
授業が終わると、私は早速二ノ介に駆け寄り、事情を話した。
二ノ介は話しを聞き終えると、額にじんわりと汗を浮かべ、指輪を握る私の拳を眺めた。
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