過去からの訪問者   

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私は龍馬に、もう一度「ありがとう」と言うと家路を急いだ 龍「あっ・・・」 龍馬には悪いと思うが、着物姿に変わった喋り方、なんとも言えない現代離れしたオーラ 助けてもらってなんだが、これ以上は関わり合いたくない 「ホントにありがとう」 頭を下げるとダッシュで逃げた 振り返る事無く一目散に家に急いだ 文科系だが運動神経はクラスでも良いほうだ 全力疾走してる私を見て ア然としてる小学生が目に入るが、そんな事はどうでもいい 600Mくらい走り、足を止めた 「もぅ・・・大丈夫・・・だょね?」 整わない呼吸を落ち着かせようと、深呼吸をしていた 『おーーーい!!』 まさか・・・ 私は恐る恐る後ろを見た 「!!!!」 言葉を失った 着物姿の男が走っているのが目に入った しかも、その顔はかなり余裕な表情で、にこやかに笑っていた 「うそっ!!」 その言葉しかでない 足袋に草履でなんであんなに走れるのか不思議だった 私は急いで向きを変えるとダッシュした 龍「待ってくれんかのーっ」 「待てって言われて待つ奴があるか!」 家まであと100Mほどだ 辺りはすっかり暗くなっていた 人が誰一人といない路を全力疾走してる私と、余裕な表情の龍馬が走ってる
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