過去からの訪問者   

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匠「でも、家まで追っかけてきたんでしょ?助けてやったからって、金を請求しに来たかもしれねぇじゃんか!」 「お金では無いと思う・・・」 なかなか言い出せない私に匠馬はしびれをきらしたみたいだ 匠「じゃあ!!なんだって言うんだよ!あいつ、誰だよ!?」 「・・・坂本龍馬」 匠「・・・は?」 匠馬は目を点にした そりゃ、そうだろ 誰でも突拍子も無い事を言われたら、そうなるだろ 匠「ゴメン・・・もう一回言って」 「だから・・・坂本龍馬」 匠馬は私がありもしない事を口走っていると思ったんだろう 匠「あー、その人の名前が坂本龍馬さんって言うのか」 「・・・本物かも」 私の言葉に匠馬はため息をついた 匠「姉貴・・・疲れてるんだよ」 「違う」 匠「晩飯は俺が作るからお風呂入ってきなよ。そんでもって、早く寝て」 「違う。大丈夫・・・」 私は首を横にふった 匠「じゃあ、なに?あの歴史上人物の坂本龍馬だって言うの?」 「・・・うん」 匠「教科書に載ってる?」 「うん」 匠「土佐出身の?」 「うん」 匠「薩摩と長州を和解させた?」 「うん」 匠「日本を洗濯した?」 「うん」 匠「勝海舟の?」 「弟子でしょ」 匠「・・・」                匠馬は無言になった 私は冗談を言ってる時に、どうしても簡単な方法でばれてしまう
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