過去からの訪問者   

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『『貴様らぁっ!!何しとるんじゃぁっ!!!?』』 「・・・えっ?」 野獣のような声が、路地いっぱいに響き渡った 『な、なんだ!?』 『誰だっ!!』 3人組は辺りを見回した 「あっ・・・!」 私が歩いてきた方角から、ものすごい速さで走ってくる男が見えた 「・・・えっ!?」 見間違える事は無い姿だ 『なんだあいつ?着物着てるぞ・・・?』 『コスプレ狂いした奴じゃね?』 『おぃっ!こっち来るぞ!!』 着物の男は勢いを緩める事無く、突っ込んできた 『うわぁっ!!』 私の右腕を掴んでいた男が吹っ飛んだ 『なんだ!?お前!!』 『わしか?わしゃ、坂本龍馬じゃき』 『はぁ?坂本龍馬?何を言ってんだ?』 『教科書と全然似てないぜ。おにーさん』 2人は馬鹿にしたように笑った たしかに教科書の写真と雰囲気というか、顔が違うような気はする しかし、馬鹿にされてたのに怒ったりしてる様子も見せず、悠々とした態度をしていた 龍「男が女子に寄ってたかって、何しちょるんじゃ。情けない」 『うるせぇ!!』 馬鹿にした相手にものを言われからか、威勢のいい声が響いた 龍「口は達者になったとしてもも、やっちょる事はいかんのぉ」 そう言うと坂本龍馬と名乗った男は3人組を睨んだ 『「っ!!!」』 その眼は血に飢えた鬼のようで とてつもなく冷たい眼だった 私の腕を掴んでいた力は、いっきに無くなり・・・離れ落ちた
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